第7回環境分析基礎講座

― 環境分析のための機器分析コース ―

主催 日本分析化学会関東支部

関東支部では、「環境分析基礎講座」と題して環境分析をテーマにした講習会(化学分析コース、機器分析コース)を開催しております。機器分析コースは、『機器に触ること』に最大限こだわり、受講される方々全員に、環境分析に必須の分析機器を自ら操作していただき、実試料を用いて実習を行っていただく講習会です。2日間のコースですが、それぞれの機器にベテランのインストラクターを配置し、充実した実習内容になっています。参加者には受講証を発行するほか、筆記試験の合格者には修了証を授与いたします。

【会 期】
2006年2月2日(木),3日(金)
【会 場】
(株)パーキンエルマージャパン テクニカルセンター
〔横浜市西区北幸2-8-4、横浜西口KNビル12階、電話045-314-9298、交通: 横浜駅西口より徒歩8分〕地図
【受講方法】

 本講座では、元素分析(テーマA)、分離分析(テーマB)、質量分析(テーマC)の3テーマのうち、2テーマを事前に選択し、受講していただきます。各テーマにはそれぞれ主要分析装置が2機種づつ準備されておりますので、2日間で4機種を勉強することになります。

 選択したテーマの組合せにより、3つのグループ(AB、BC、CAの3つの組合せ)ができますので、講座は3グループに分かれて同時進行で進めます。各グループとも12名定員とし、午前は機器の原理を学び、午後は実際に装置を操作していただきます。特に機器の操作に重点を置くため、午後からの実習は各グループをさらに6名づつに分け、1つの機種を2時間づつ、2機種の合計で4時間たっぷりと装置に触れていただきます。

【プログラム】
第1日 (2月2日)
09:45~10:00オリエンテーション
講習内容の趣旨説明およびグループ分け
10:00~12:00機器の原理説明
3つの部屋に分かれ、3テーマ同時進行
13:00~16:50機器による分析実習
6箇所に分かれ、6機種同時進行、1機種約2時間で2機種を実習します
17:00~17:50見学会
(株)パーキンエルマージャパンテクニカルセンター内の見学及び参加メーカーとの個別相談・質問の時間
18:00~19:30技術懇談会
第2日 (2月3日)
09:00~11:00機器の原理説明
12:00~15:50機器による分析実習
16:00~17:00筆記試験
17:00~17:10受講証授与(修了証は後日合格者に郵送)
【実習テーマ】
テーマA 元素分析A-1:ICP-AES(パーキンエルマージャパン)
A-2:蛍光X線(リガク)
テーマB 分離分析B-1:IC(日本ダイオネクス)
B-2:HPLC(日立ハイテクノロジーズ)、FIA(平沼産業)
テーマC 質量分析C-1:GC/MS(パーキンエルマージャパン)
C-2:ICP/MS(パーキンエルマージャパン)

各分析機器の準備および説明には、(株)パーキンエルマージャパン、(株)日立ハイテクノロジーズ、平沼産業(株)、(株)リガクおよび日本ダイオネクス(株)の協力を頂いております。

【実習方法】
機器の原理説明:
 テーマ別に3つの部屋に分かれ、午前中の講義でそれぞれ2機種についての原理を学びます。2日目は、別のテーマを同じ要領で受講します。
機器分析の実習:
 午前中に受講した機器を実際に操作します。各機種2時間づつで、2機種を実習します。2日目も同じ要領で受講します。受講者全員に分析機器に触れていただくため、受講者は全機種とも6人までとし、それぞれにインストラクターが操作方法を指導します。
【実習内容】
ICP発光分析
ICP発光分光分析法は、ppbオーダーの感度をもち、共存元素の影響が少ない、多元素一斉分析ができる優れた分析法です。高感度化のための軸方向観察と多元素同時分析が行なえる半導体検出器を装備した最新の装置を使い環境試料で実習を行います。実習では、今話題のマイクロ波を利用した試料分解装置を使って、サンプリングから分析までを行います。
蛍光X線分析
蛍光X線分析法は、固体試料を非破壊で前処理なしに、短時間に計測できる分析手法で、環境分析やリサイクル品の重金属汚染測定、土壌の迅速測定などに広く使われています。今回は、プラスチック製品を対象にWEEE/RoHs対象のCd、Pb、Br、Cr、などの計測を実習します。また土壌そのままを前処理せず、いきなり重金属汚染を計測する実習も行います。あわせて、X線分析装置使用上の安全対策についても実習します。
イオンクロマトグラフ分析
サプレッサー方式のイオンクロマトグラフはイオン分析に広く利用されています。今回の講習では陰イオン分析用クロマトグラフの取り扱いと標準試料,未知試料の分析実習をいたします。
HPLC分析
HPLCは難揮発性物質や高温で分解しやすい化合物の分析に有効は分析法です。今回は環境水中の陰イオン界面活性剤の分析について、固相抽出カラムを利用した試料前処理とHPLCでの分析の基本操作について実習いたします。
FIA分析
FIA (フローインジェクション) は,呈色反応を一連の流れの中で実現するシステムです。今回は装置の概要について実機を前にして解説します。
GC/MS分析
GC/MS法は、環境分析で最も広く利用されている分析法です。揮発性有機化合物VOCや農薬などの化合物の定性、定量ができます。今回は実際に分析をしながら、条件により結果がどう変わるか、また質量分析特有の定量方法やスペクトルのライブラリーサーチを学びます。
ICP質量分析
ICP質量分析法は、ppt以下の検出限界値を持つ超高感度分析法であり、最近では従来問題とされていた妨害イオンの除去を可能にした“ダイナミック反応セル” を用いた装置が開発されています。この最新の装置を用いて、ICP質量分析の基礎と概要を実習します。
【受講申込要領】
受講対象者
初級者 (分析実務経験が2年以内の者)、基礎に立ち返って機器の操作を学びなおしたい方、試験所の認定申請に際して担当の分析技術者が分析化学の基礎研修が修了していることの証明が必要な方などが受講に適した講習会です。
受講料
日本分析化学会会員 (維持会員、特別会員、公益会員に所属する方を含みます) 4万円、会員外6万円。また、「化学分析コース」を受講された企業からの参加者は5千円引きです。なお、納入された受講料の返却はいたしませんのでご了承願います。
募集人員
各グループとも12名定員とし、合計36名(先着順に受け付けます)。申込書に受講したいテーマの組合せ(AB、BC、CAの3つのグループ)を選び、第2希望まで記入してください。
申込み方法
所定の申込書 (ワード形式, PDF形式) により、FAXまたはEメールにてお申し込みください。折り返し、請求書、会場案内図等をお送りします。
申込先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
日本分析化学会関東支部〔電話:03-3490-3351,FAX:03-3490-3572〕

Last modified: Fri Nov 18 23:24:13 JST 2005