8回千葉県分析化学交流会

  主催 : 千葉県分析化学交流会

 共催 : 千葉大学分析化学センター (設備サポート事業)

 後援 : (公社)日本分析化学会 関東支部

 日時 : 2012 (平成 24) 12 12 () 13 時〜 19

 場所 : 千葉大学自然科学系総合研究棟 1 (大会議室)

 

平成241212日,第8回千葉県分析化学交流会が,千葉大学自然科学系総合研究棟 1 階大会議室にて開催された。当日は”12” 3 組も並ぶ珍しい日で、企業や大学から多数の関係者が参加していただくことができた。第一部の講演会には37名、第二部の情報交換会には 25 名が参加され、活発な議論が展開された。冒頭の中村会長からの挨拶にもあるように、前回第 7 回からだいぶ時間が空いてしまったが、なんとか 2012 年中に2012年度の第1回目の交流会を開催することができたのは、ひとえに千葉大学分析センターの石川副センター長、関先生、枡先生をはじめとする千葉大学関係者のご尽力の賜物であった。また、当日の受付や会場案内などに多数の千葉大学事務の方にご協力頂きながら、次のような式次第で3件の講演が行われた。

 

写真 1. 会長挨拶

 

13 時 受付開始  

13 : 30 1部 総合司会 : 枡 飛雄馬

13 : 30 – 13 : 35 開会挨拶 中村 洋 会長

13 : 35 – 13 : 45 歓迎挨拶 石川 勉 千葉大学分析センター副センター長

 

 (講演会)

13 : 45 - 14 : 45 (座長 : 関 宏子)

 . 抽出剤としてのイオン液体の機能と特性

(千葉大学大学院理学研究科)勝田正一


14 : 45 - 15 : 45 (座長 : 小熊 幸一)

 . レーザーおよびイオンビームを用いた環境評価技術の開発

(新日鐵住金株式会社)林 俊一


15 : 45 - 16 : 00 休憩
16 : 00 - 17 : 00 (座長 : 戸井田 敏彦)

 
. マイクロ流体技術を利用した微量分析

(千葉大学大学院工学研究科)関実

 

 勝田先生の『抽出剤としてのイオン液体の機能と特性』では,有機溶媒に代わるクリーンな溶媒としてのイオン液体の基礎的性質とその分析化学的応用についてご講演頂いた。近年急速に応用範囲を広げているイオン液体について、その密度、粘度と行った物理的性質から、構造、極性、相互溶解度などの化学的性質まで理論的に解析することで、分析化学の様々な手法に応用できるようになっている現状をわかりやすく解説していただいた。林先生からは,『レーザーおよびイオンビームを用いた環境評価技術の開発』という題で新日鐵住金の環境問題に対する企業としての取り組みを多角的にご紹介いただいた。合弁前の新日鐵の頃から開発を行っていたレーザーおよびイオンビームを光源とする on-situ かつ高感度な連続モニタリングシステムの有用性についてご紹介頂いた。鉄鋼業界は製造プロセスで大量の熱が必要であり、その燃焼排気ガス中には二酸化炭素と同時に、多量の有害物質が含まれてしまう。地球温暖化防止の観点からも、高温炉からの排気ガスのリアルタイムな測定・管理が求められる。ガス状成分を高感度に測定するばかりでなく、 FIB-EB-TOF-SIMS のような最先端の観察手法と定量分析手法を組み合わせることで、粒子状物質の表面に付着している分子まで、一粒子単位で測定できる手法を開発するなど、最先端の工業分析法をご紹介頂いた。 関先生からは最先端の小型分析デバイスであるマイクロ流体技術を利用した微量分析法についてその原理と応用例についてご紹介いただいた。単に取り扱い液量が少なくなるばかりでなく、分析時間の短縮や操作の並列化、自動化によって、極少量の試料量しか採取できない生化学や医学・薬学など幅広い分野に適用できる分析手法となりうることをご紹介いただいた。マイクロ流体技術は分析化学の分野に留まらず、細胞培養や PCR のような遺伝子解析の反応場としても活用されており、今後ますます多様な分野で活用されてゆくことが期待される分析手法であることが説明された。

 

写真 2. 講習会風景

 

こうした最先端の研究事例を聞いたあとで、まるでギリシアのパルテノン神殿を思わせる入口の千葉大学けやき会館 1 階のレストランで懇親会が行われた。千葉県交流会の活動も今年で3 年目に入り、県内の主要な大学、関連企業を会場に交流と情報交換の場を提供してきた。どこの大学・企業に行ってもそれぞれの組織で縁の下の力持ちとして活躍し大切にされる分析技術者・研究者たちの真摯な研究姿勢と仕事と結果に対する熱い情熱に深い感銘を受ける。既に次回第 9 回の交流会が 3 26 日に東邦大学で開催されることが決まっている。医学・薬学・理学部と様々な所属の先生方の講演が予定されており、また新しい分析化学の応用分野の広がりを感じられる会になることが期待される。

 

写真 3. 記念写真